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何事も一流に触れるべきということ [読書]

座右のゲーテ -壁に突き当たったとき開く本 (光文社新書)

座右のゲーテ -壁に突き当たったとき開く本 (光文社新書)

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2004/05/15
  • メディア: 新書


斎藤孝さんの本はよく読むが、ゲーテについてはまったく読んだことがない。時間的に余裕のあった学生時代にもうちょっと本を読んでおくべきだった、といまさら後悔してもしょうがないので、いつかゲーテを嗜むくらいには余裕を持ちたいものだ。

さて、この本でもゲーテの教養、知性を垣間みることができる。
この本の中に出てきた言葉で一番印象に残ったのは、

いったい、いい芝居やオペラの稽古をすませたら、それがどうにか客を寄せて劇場を満員にしている限り、<中略>観衆がそれに興味を示す限り、できるだけ繰り返してやる方がいいのだ。

だった。これを斎藤さんは勝ちのセオリと言った。勝ち続けている限りやり方を変えない、という鉄則。
すぐに思いつくのは劇団四季のロングランだ。「キャッツ」「ライオンキング」。いや、日本に限らず演劇界は同じ演目をえんえんと続けていたのは、このセオリーに沿っていたのだと理解したのだった。(現代演劇のみならず、能、歌舞伎とかもそう)ロングランは一流の証拠。古典はさらに時間の洗練を受けて磨かれている。

一流に触れる重要さに関しては、さらにゲーテは

趣味というものは、中級品ではなく、最も優秀なものに接することによってのみ作られる。
君が自分の趣味をちゃんと確立すれば、ほかのものを判定する尺度を持ったことになり、ほかのものを過大ではなく、正当に評価するようになるだろう。

と言っている。
つまり、もったいぶらずに最初から最高のものに触れるべきだと。一流のものに触れてのみ、評価の基準を自分の中に持てる、ということ。一流はジャンルを問わず、必ず見るべきものがあり、面白い。つまらないと思ったなら、それは一流じゃなかっただけかもしれない。
ゲーテは特に古典を推奨していた。すぐには消化できない古典は自分の苦手とするところ。とはいえ、やはりじっくり噛んで味わう時間を作りたい。

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