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ルーチンワークと創造性 [読書]

Steal Like an Artist: 10 Things Nobody Told You About Being Creative

Steal Like an Artist: 10 Things Nobody Told You About Being Creative

  • 作者: Austin Kleon
  • 出版社/メーカー: Workman Pub Co
  • 発売日: 2012/02/28
  • メディア: ペーパーバック






この本の作り方がアナログで好きだ
昨今でいうライフハック的な感じで、「創造的であること」のヒントが散りばめられている。
創造的、クリエイティブとかいうと高尚なイメージがあるが、別にゲイジュツカとかアーティストとかじゃなくても、日々の生活で何か新しいことを試みたり、違う視点を探したり、自分を変えたい人にとっても考え方は学べる。難しいことは置いといて、とにかくやってみればいい、ということだ。

  「Art is theft.」

この本の冒頭で引用されているピカソの有名な言葉は、スティーブ・ジョブズもたびたび口にしていた名言だ。
ただ「真似る」と「盗む」というのはもちろん違う。この間には、本質的な部分を理解しているかどうか、という大きな違いがある。「エッセンスを盗む」というは実に相当に高等な技術だ、努力なしではできない。
でも、だれしも入り口は「真似る」から始めればいい。「真似る」=「学ぶ」とは良く言われることだ。

この本からは共感を得ることは多い。

  KEEP YOUR DAY JOB.

という章がまさにそうだ。
「好きなことをやりたい人は、夢が実現されるまでは、毎日好きなことをやっているよりは仕事を探せ。」と。
仕事は外部とのコネクションで、何かしら学ぶことは出来るし、仕事先で出逢う人間から刺激を受ける。からだ。

とかく、斬新なことや革新的なことは、自由気ままに一日中好きなことをやっている人間から生まれると思われがちだが、本当にそうだろうか?

世の中を変える革新的な理論や事業は、実は平凡な日々の仕事のルーチンワークをこなす裏で生まれている。
いまさら言うまでもなく、アインシュタインは郵便局に勤める傍ら、相対性理論を世に出した。さっき例に出したジョブズも、相方のウォズニアックもアップルを作る前は会社勤めだったし、AmazonのCEOも、スタバのCEOももとはサラリーマンだった。彼らは暇で時間があふれていたから新しいアイディアを思いついた訳ではない。

また、日常の労働が終わった後の趣味の学問から転じて、偉大な発見を成し遂げた人は何人もいる。(サミュエル・スマイルズの『自助論』にはこれでもかと引用があるし、『「E=mc2」-世界一有名な方程式の伝記』の中にも実例が出てくる。)

怠惰からは何も生まれない。という教訓ではあるが、一方でルーチンワークと創造性の関係の真をついてて面白い。

簡単に言うと、毎日決まった時間に仕事を終え、限られた時間に好きなことをやれる。ことと、一日中暇があって好きなことができる。というとを比べたら、どっちがどん欲に好きなことをやるのだろうか? ということだ。

自分を例にとってみても、例えば読みたい本があったり、考えていることを整理したいと思っていても、「よし土日を使ってやろう!」と思ったところで、いざ時間の余裕があるとさっぱりやらない。だらだら過ごしてしまう。
例外の人もいるかもしれないが、たいていの人にはこの法則が当てはまるのではなかろうか。

やりたいことはそれをやれる時間が制限されてた方が、真剣にやるし前に進む。ただし、結構重要な点がもう一個あって、この本に書いてある通りなのだが、日々の仕事が終わっても十分に気力と体力が残っていること。日々の仕事に忙殺されていたら、何もできない。


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