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ものづくりの極意 [読書]

自分の仕事をつくる (ちくま文庫)

自分の仕事をつくる (ちくま文庫)

  • 作者: 西村 佳哲
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2009/02
  • メディア: 文庫






この本は自分にとっての名著です。書き込みしまくり、ふせん貼りまくりです。
自称「働き方研究家」の著者が、さまざまな仕事場を訪れ、仕事の哲学を伺う。
まるでNHK「プロフェッショナルの流儀」の個人制作版みたいな。

やっぱ、仕事の話は面白い。
名言はたくさんあるし、示唆に富んでいるし、考えさせられる(インスパイヤ)されるところたくさんある。

例えば、以下の一文

 『つくる力は「観察力」にしたがう』

モノを作る力量は、細部の違いにどれだけ気づけるか、その人自身が持っている観察の精度に依存するということ。
制作スキルは熟練度によって高められるかもしれないが、
そもそもその人に高いレベルの気づきがないと、作品の質もそこまでしか到達しない、ということ。
絵画を鑑賞する目、音楽を鑑賞する耳。に限らず、世の中に出ているすべての製品に当てはまる。

これはもう作り手のセンスとしか言いようがない。
(とはいえ、センスは磨ける。ゲーテのいうように、超一流にたくさん触れれば。)

あと、創造と制作のプロセスは、IDEOのシニアエンジニアの以下の一言がすべてを表していると思う。

 『小さな失敗をできるだけ多く、具体的に重ねること』

良いデザインを生むためのハウツーは、地道な作業だった。
デザインは、ジョブズの言葉を借りれば、単に見た目ではなく、どのように機能させるかを設計すること。
道具だったらそれが本質的にどういうものか、どのように使うか、を徹底的に考える。
ここでいう考えることは、会議室とか頭の中で行われるのではなく、実際にモノを試作しては失敗を繰り返す具体的な作業。

以前テレビで観た佐藤可士和の仕事風景や、この本で出てくる柳宗理の仕事のスタイルにも共通している。
超一流の人たちは、手間ひまを惜しまない。
良いものを創造するのに近道はない。ましてや効率よくなんてできない。

どれだけ試行錯誤、失敗を積み重ねるかが、洗練された美しい完成品を生むためのの唯一の極意だ。
ということを改めて強くこころに刻んだ。


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