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やりたいと思ったら始めればいい [TED]

TEDの面白いところは、著名人が出てくることとか、最先端の技術、研究成果、壮大なプロジェクトに出逢える、というところにもある。が、まったく名の知られていない普通の人々が自らの体験を語り、それによって勇気づけられるところも大きい。

マット・カットのTEDのプレゼン(>リンク先)は3分ちょっとと短いが、確実に影響を受けた。彼がどこにでもいそうな普通な小太りのお兄ちゃんというのも大きい。誰でも、ちょっとしたきっかけで人生がポシティブにアクティブになれることを、彼自身が証明しているからだ。

特別な境遇だとか、特別な才能だとか、そういうのはまった必要なく、変りたいと思ったら、そう思った瞬間に行動を始めればいい。始めるにあたって壮大な目標はいらない。ただ30日間やってみればいい。30日だけはがんばってみる。

その後どういう変化が起きるか?それは自分自身の楽しみだ。自分にもできそうだと思ったら、やらない人はいない。彼のプレゼンはそういう影響力を持っている。


引っ込み思案は欠点ではなくて才能である [TED]

ほとんどの人は「引っ込み思案」とか「内向的であること」をネガティブに捉えていると思います。常識に近いといえる社会的イメージなので無理ないかもしれません。
スーザン・ケインはそういう世間一般のイメージに疑問を投げかけています。

結論から言えば、彼女は内向的な人に内向的なあり方によって才能を発揮してもらった方が、社会全体にとって有益だと言っています。創造性や生産性の向上につながり、さらには現代社会が持つ様々な問題を解決に導く力になるからです。

■内向的な力とは何か?
簡単に言えば「独りで考える力」といえます。具体的には、孤独な場所に身を置き、本を読んだり、思索したり、探求したり、あるいは何かを作ることです。集団の中に居るより一人で行動する方が好きな人は、こういうことに向いています。
内向的な力で創造性を発揮した人に、ダーウィン、スティブ・ウォズニアックが例にあがります。また、偉大な宗教指導者、モーゼス、キリスト、ブッダ、ムハマドは、みな孤独の荒野の中から直理や神託を得ました。
一人でいる方が好きな人に対して、彼らのあり方を問題視し矯正しようとしては、せっかくの才能が埋もれてしまうままになります。それは周りの人にとっても社会全体にとっても損失です。とくに子供たちに対して、最近の学校では何でもかんでもグループワークさせたがる風潮にこそ問題があると言います。

■グループワ―クの何がいけないのか?
人は集団の中にいると、どうしても力の強い人やカリスマ性の強い人の意見に従ってしまう傾向があります。
問題なのは、彼らの意見やアイディアが必ずしも素晴らしいものとは限らないということです。たまたま優れたアイディアを持つリーダのもとにいるかもしれません。しかし、そうではない場合もあるでしょう。強い意見にかき消されてよいアイディアが埋もれていないとも限らないのです。 
さらに、子供たちにとって問題なのは、ひとりで物事を考え、やりぬく機会が奪われてしまうということです。(スーザン・ケインは特にこの点に関して強い懸念を持っているようです。)ひとりでやるべき課題はひとりでやらないと力はつきません。
一つ、補足しておきたいのは、けしてコミュニケーションやチームプレイを否定している訳ではないということです。バランスが大事だと言っています。

■社交的であることは否定しない
内向的な人はコミュニケーションが嫌いという訳ではありません。家族や親しい知人、友人との会話は楽しいものです。自分と正反対の社交的な人と結婚する場合もあります。(スーザン・ケイン自身がその例にあてはますます。)
また、心理学者から指摘されているように、世の中には100%内向的とか100%外向的という人は存在しません。どちらかに傾いてはいるものの、みな両方の性質を持っているのです。
内向的な人はひとりの時間を大事にしたいだけだともいえます。その部分を尊重した上で、グループで集って議論したり、カフェなどで会話したりすると、より楽しく価値ある時間になるでしょう。

■昔は思慮深い人が評価されていた
かつての日本もそうだったかもしれませんが、実は古きよきアメリカの時代では現代のように社交的なスキルがもてはされる風潮はなかったといいます。リンカーンを代表格として「人格主義」の時代があり、遠慮深さ・思慮深さが評価されていました。
それが20世紀に入り経済が発展し、人々が町から都会に集うようになってから様子が変わりました。社会的に成功するためには不特定多数の他人を説得しなければならない時代になったのです。そのために社交的スキルが重要視されるようなったといいます。たとえばカーネギの「人を動かす」に代表されるスキルです。
つまり、 内向的=ネガティブであるというイメージは、セールスマン的なスキルが重視されるようになったごく最近の風潮に過ぎないとも言えます。 

■これから時代に大事な3つのこと
大事なのは陰(yin)と陽(yang)のバランスです。スーザン・ケインは特に陽の特性に傾きすぎる現代社会に以下の3つの提案をしています。
1、ばかの一つ覚えの”グループワーク”は今すぐにやめさせること
  特に子供たちにとっては独りで考える力を身につけることは大事です。 
2、孤独の荒野に出ましょう
    ”いつでも繋がっていないと不安”から逃れましょう。
3、あなたのカバンの中身をみなさんに披露してください
  あなたが心の中に思っていること、考えていることことを、(恐れずに)たまにで良いから他人にも見せてあげてください。世界はきっとあなたの持っているものを必要としています。


長くなってしまいましたが、ここに書いたのはスーザン・ケインのTEDのプレゼンの内容を、原文のスクリプトを読んで、私なりに理解したことを整理した概要に過ぎません。本物には興味深いエピソードがいくつか含まれています。特に彼女が「内向的であること」に対して本を書くきっかけになった、彼女の祖父の話は心を打たれました。
ぜひTEDをご覧になってください。 日本語字幕が出ます。字幕だと細かいところが拾い切れていませんが、物足りなくなったら原文を読むことをお勧めします。

才能はどこからやってくるのか? [TED]

ものを創りだす才能はどこからくるのだろう?

アメリカのベストセラー作家エリザベス・ギルバードはユニークな見解を熱くプレゼンしている。
まだ観てない人はぜひご覧ください。[TED:創造性をはぐくむには]

彼女の述べている要旨はこうだ。

作家やミュージシャン、アーティストと呼ばれる人たちは、常に作品に対する期待という大きなプレッシャーにさらされている。プレッシャーに負けて酒に走り自殺する人もいる。

前の作品のインパクトが大きい場合はなおさらだ。
例えば、エリザベス・ギルバード自身「食べて、祈って、恋をして」が世界的なベストセラーになったあと、友人知人から「次の作品が売れるかどうか怖くないかい?」と、ことあるごとに聞かれ、まるで「お前はDoomだ」と宣言されたみたいに感じたという。
友人からの問いに対して、本人は率直に「その通り。怖いです。」と認めている。

このプレッシャーの原因、つまり周りから期待される問題の根源は、クリエーティビティ=才能というものが個人そのものに宿ると考えるところにある。
けれど、実はこの考え方はルネッサンス以降のもので、もっと古い時代、ギリシアやローマの時代は違う考え方だった。という。

ギリシアやローマの人たちは、才能は個人の中には存在しないと考えていた。それは、外側の「神聖なもの」や「霊的なもの」からもたらされると考えていた。ギリシア人はそれを「デーモン」と呼び、ローマ人は「ジーニアス」と呼んだ。(ジーニアスは現代で天才も意味する。)

エリザベス・ギルバードは聴衆にこう問いかける。
「才能は外からやってくると、なぜ考えてはいけないのか?」
「才能が個人に宿る、というのは本当に合理的な考え方なのか?」


あとは、ぜひ本人のプレゼンを観てみてください。さすがベストセラー作家だけあって話に引き込まれる。
知人の詩人Ruth Stoneのエピソードや、ミュージシャンTom Waitsのエピソードは必聴です。

TEDは日本語字幕も出せるのでご心配なく。

食べて、祈って、恋をして 女が直面するあらゆること探究の書

食べて、祈って、恋をして 女が直面するあらゆること探究の書

  • 作者: エリザベス ギルバート
  • 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
  • 発売日: 2009/12/17
  • メディア: 単行本


Ideas worth spreading [TED]

先の記事で出たTEDについて。

TEDはアメリカで毎年行われている有名なプレゼンテーションのイベントで、ここから発信されるアイディアの数々は世界で注目されている。いま、日本でもNHKの番組「スーパープレゼンテーション」で毎週ひとつずつ紹介されている。また、Webサイトに行けばいつでもストリームを観れる。(日本語字幕つきのものもある)

TEDは「Technology Entertainment Design」の略で、プレゼンは短いもので5分、長くても20分ほど。
内容は多岐にわたるが、コンセプト「Ideas worth spreading」の通り、人々のパラダイムを変えるようなアイディアが集まっている。まさにアイディアは世界を変える。を実感できる。
著名人も多い。例えばビル・ゲイツ、ビル・クリントン、アル・ゴアも壇上にあがっている。一方、日本では名前が一般に知られていないだけで、実は海外のベストセラー作家もたくさん出ている。

僕がTEDを観るようになったのは半年くらい前から。きっかけはNHKの「クローズアップ現代」。それまで実はちらほら存在は知っていたが、なんかの発明ニュースの紹介サイトだと勘違いしていた。この番組でTEDがもたらす世界の変化の流れを知って興奮したものだ。

TEDにはがらっと180度ものの見方を変えてくれる。そんなアイディアがたくさんキラ星のごとく光を放っている。本当にこれは観ないと損だと思う。


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